家族とゆず
2021年12月11日
12月6日をもって、今年も無事に、ゆずの収穫を終えることができました。
お電話であたたかな声をかけてくださったみなさま、
ハガキや封書で励ましをくださったみなさま、
ゆず商品を楽しみにしてくださっているみなさま、本当にありがとうございます。
私たちの村のゆずづくりは、ほとんどの農家が家族ごとで行っています。
そんな馬路村のゆず収穫期の、家族のひとこまをご紹介します。
イチ谷のてっぺんにある畑で収穫をしているのは、
のぼるさんときみえさん夫婦の尾谷一家。
この日は村で働いている息子夫婦の仕事の都合もついたので、
4人揃ってゆずがたくさんなっている畑を収穫することに決めました。
この畑のゆずは、のぼるさんが50年以上も前に、種から育てた「実生(みしょう)」のゆず。
まだ林業が主産業だった頃に接ぎ木ではなく実生にこだわり、
種から芽を起こすまでに2年、さらに苗から木になるまでに12年もかかったそうです。
背が高く、トゲも鋭い実生の木は収穫も苦労しますが、
それでも「果汁で勝負するなら、実生でなければ」と思ったのだそう。
息子のみちあきさんは、のぼるさんが始めた運送の仕事を引き継ぎ
普段は大きな材木をトラックに載せて馬路村から運び届ける仕事をする傍ら、
数年前から本格的にゆずも引き継ぎ育てています。
ゆずをとり、ヘタをつみ、家族で1つのチームとなって
出荷用のゆずに仕上げていきます。
畑には、パチンパチンとゆずをつむ音や、話し声、笑い声が響きます。
長い年月をかけて家族の声を聞きながら育てられたゆずにもきっと、
それぞれに家ごとの顔があるのではないかと思えてなりません。
みなさまのもとにも、ゆずとともに私たちの村の息遣いが
届いていましたらうれしいです。